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ありまりでガンアクをしたかっただけ 2

2013.04.11UP 「まりありでガンアクをしたかっただけ 2」

かわふじ
→コンティニューから



 ニトリの工場に妹紅営む運び屋を呼びつけた魔理沙は、車にアリスを押し込めて街の一角を目指した。
 歩いていけば時間がかかる道のりでも車ならば急がなくとも、10分程で街中へと入った。
 所々ひび割れたコンクリ製の建造物が区画ごとに並んでいる。
 形がどこか似ているそれが整列している様は不気味で見慣れないなと、アリスは思った。
 魔理沙は相変わらず銃の調子を確認している。
 アリスは目をつむって座席に深く腰掛け、車の揺れに体を任せた。
 
 あの夜から始まった異変。
 具体的にどんな異変が起こったのか、あまりの速度にアリス自身まだ整理できていなかった。
 気がつけば本来ならば存在していなかった物で溢れ、幻想郷の姿は大きく変わってしまった。
 木造家屋は石と鉄の建物に変わり、妖怪の山の河童達が使っていた妙な機械が幻想郷にあふれている。
 電気や水道といったライフラインも整備され、誰もがいつでも暖をとり暗闇を見る事も無くなっていった。
 一瞬で進化した環境にアリスは困惑していたが、周囲は真逆で全く感知していない様子だった。
 魔理沙や霊夢に尋ねても、まるで昔から幻想郷はこうだったという様子で、逆に適応できない自分を不思議に感じているようだった。
 そんな中でも一番の変化は、力が忘れ去られたことだった。
 今や誰も空を飛べないし、弾幕ごっこをする事も無い。
 魔理沙は魔法に関して全く言う事はなくなったし、あれだけ幻想郷を満たしていた色濃い力の気配も、殆ど感じる事がなくなっていた。
 その代わりに登場したのが、銃という存在だった。
 力無い者が戦うために開発された武器は、瞬く間に人間の手に渡り、妖精が持ち出し、いつの間にか誰もが所持するようになった。
 弾幕ごっこは大きく変わり、銃撃戦へと変化していった。
 あの夜感じた違和感。
 これはただの異変だろうか。
 一つ仮説を立てるとすれば、おそらく外の世界に何かが起こったのかもしれない。
 それが一体どのような異変なのか、自分には分からない。
 なぜ、幻想郷がかわってしまったのか、それ以上になぜ自分だけがそれに取り残されてしまったのか。
 アリスはすぐに魔法を試してみた。
 人形は従来通り操る事ができるし、魔力を使う事も、空を飛ぶ事もできる。
 なぜ、自分だけそうなってしまったのか。
 それも従来通りと感じているのは自分だけで、それすら自分の気がつかないところで知り得ない何かに置き換わってしまっている可能性もある。
 しかし、誰もが魔法等を使わなくなった今、自分がそういう力を使う事はいい事ではないと、そう感じた。
思わず相談した霊夢もその方が安全だと言っていたし、何よりも魔法を使わなくなった魔理沙の姿を見る事ができなくて、アリスは自ら魔力を封印したのだった。
 
 ご機嫌な魔理沙を後部座席から見ながら、アリスは何か問いかけようとするがタイミング悪く魔理沙によって遮られた。
「突っ込んでくれ」
 一瞬何の事かわからなかったのは、後部座席に乗り込んだアリスも運転席の妹紅も同じだった。
 正面には人影、よく見ると人間よりも幾分か背が低い。
 あれは、射命丸の言っていたゲリラ化した妖精達のようだった。
 魔理沙の台詞の意味を理解し、ハンドルを握る妹紅が青筋を立てた。
「ふざけんな。運び屋にやらせる事じゃないだろう」
 そう言いながらも、既にアクセルは踏み込まれている。
 セダンが急激に加速すると、その勢いで運転席と助手席の間から顔を出していたアリスが後部へ転がった。
「本気なの?」
「知るかっ」
 どうにでもなれという妹紅の言葉。
 アリスは冷や汗をかきながら魔理沙へ視線を移す。
「180度旋回してくれたら、そこが下車地だぜ」
「サイドターンは別料金」
「いいぜ。どうせブン屋のつけだからな」
 イライラを隠さない妹紅にかまう事なく魔理沙は言った。
 こんなに大きく揺れる車内で、魔理沙は新しい銃に弾を装填する。
 44口径HV弾を6発。
 得たばかりの知識によれば、銃弾には種類があり口径と弾頭の組み合わせだと魔理沙が言っていた。
 当たれば消滅する妖精相手に内部破壊ダメージを求める必要がない、ならば多少の障害物を撃ち抜けるだけの貫通力ということでHV弾をチョイスしたのだろう。
「登場は派手に行かないとな」
 魔理沙がそうつぶやくと同時に、横Gが襲う。
 妹紅がステアリングをきり、クラッチを解放するとサイドブレーキをめいいっぱい引く。
 後輪が滑り出し、車体が急激に方向をかえた。
 車体後部で吹っ飛ばされた妖精が数体、壁に当たって散霧するのを目で追いかける暇もない。
「アリス!」
 魔理沙の言葉に反応してアリスはドアを開け放った。
 ・妹紅が1速でクラッチをつなぎ直すと車は一瞬速度が落ち逆方向へと加速を始めようとする、その瞬間に二人は車から飛び出した。
 地面に転がってなお勢いを殺しきれないアリスに対して、魔理沙はきれいに衝撃を受け止めると、膝立ちの状態から銃弾を放った。
 銃声は6つ。
 アリスがなんとか壁にぶつかる直前で体勢を戻し視線を巡らすと、顔を上げた丁度先には6丁の銃が転がっていた。
 妖精は一発当てれば消滅してしまう。
 そして、そのとき手にしていた銃はなぜか妖精とともに消える事なく、その場にとどまる事がほとんどだった。
 銃をニトリの工場で購入すればそれなりの値段がするし、街の闇市の銃は手入れが行き届いていない事が多かった。
 妖精が落とす銃はそれなりに使える物が多かったから、拾って帰ればいい値段で引き取ってもらう事が可能だろう。
「大丈夫か?」
 魔理沙の声に、アリスは振り返った。
 金色の髪をなびかせた魔理沙が、まだ冷めぬ銃を持ち上げて困った顔をしている。
「問題ないわ」
 ワンピースについたホコリを払いながら立ち上がったアリスは、そう強気に言った。
 まだまだこの戦闘スタイルに関して初心者のアリスだから、どうしても戦いなれた魔理沙には劣ってしまう。
 多少劣る程度ならいいが、それがお荷物になってしまうのであれば、それは問題だ。
 自分に言い聞かせる意味も込めて、無駄に強がってみたりする。
 それを見透かしてか、魔理沙はため息をついて続けた。
「大問題だろ。運動神経がよくないのはよくわかるが、ちょっと無防備すぎやしないか」
「仕方ないでしょ。まだ、戦いになれていないのよ」
 魔理沙はわけが分からないといった顔で、アリスの潜む遮蔽物に移動した。
「どうでもいいが、銃はどうした」
「どうしたもこうしたも、手ぶらにきまっているでしょ」
 アリスはそういうと、ニトリから受け取った銃を魔理沙へ突き出した。
 大型自動拳銃にもみえなくはない大きさだが、歴とした小型サブマシンガンMP7A1である。
 弾倉を引き抜いて残弾を確認すると、一応20発しっかりと装填してある。
 しかし、口径が特殊であるため、魔理沙の手持ちの弾を使う事ができない。
「他に銃は?」
「だから——」
「だから無防備だって言うんだよ。どれだけ外が危険かお前に分からないはずはないんだがな」
 魔理沙が少し苛立ちながら周囲を見渡し、安全だと確認すると妖精が落とした銃を回収して回る。
 どうやら幻想郷がおかしくなったのと同時に、それに合わせた記憶に書き換わってしまっているようで、厄介な事に魔理沙の中のアリスはよきパートナーとしての記憶が存在するらしい。
 それが、アリスにとってがんばらないといけない要因の一つになっている。
 魔理沙はまず、銃をアリスへ差し出した。
 銃種はガバメント、妖精が落とす自動式拳銃の中でも出現率が多い物だった。
 セフティーの位置を確認し、スライドを一度引いて銃弾を装填する。
 装弾数は7発と銃としては普通だが、ばらまきが基本の弾幕ごっこの感覚が残るアリスにとって、この弾数は心もとなかった。
 さらに受け取った予備の弾倉を数本、カーディガンのポケットへねじ込んでいると、魔理沙が神妙な面持ちでささやいた。
「銃声につられてずいぶん集まってきたぜ」
 魔理沙のひそひそ声の後ろで何者かの足音が響いている。
 いずれも体重の軽い妖精であろう。
 魔理沙は正直なところ、戦力としてアリスを見てはいない。
 ならば、少しでも役に立たなければと、アリスはほんの少しだけ魔力を解放した。
 誰にもばれてはいけないような気がして封印こそしていたが、それでも自分には他にこの世界で使う事のできる能力が無い事を知り、本当に少しだけ魔力を利用する。
 すると、遮蔽物越しの妖精の気配が手に取るようにわかった。
 皆が力を失ってなお、妖精は妖精の力の雰囲気を持っているし、それ以外の者も変化前の気配を僅かに残していた。
 それを感知する事など以前の魔力を持っていれば難しくはない。
「妖精が10体くらい。正面交差点に展開しているわ」
「相変わらずいい耳だ」
 魔理沙はそうつぶやくように言って、障害物から転がり出た。
 やはり魔理沙には魔力の気配が伝わっていない。
 アリスは少し悲しくなりながらも、魔理沙の動きを目で追いかけた。
 道路の真ん中で銃を構え、驚く妖精達を撃破していく。
 当時の戦力がある程度フィードバックされているらしく、魔理沙の腕は確かだった。
 魔力を残したアリスには銃の知識などほとんどなく、魔理沙に教わった通り扱うのが精一杯だった。
 魔理沙が見逃した危険度が低い妖精を狙って、遮蔽物の陰から伏せの状態で銃を構える。
 安定感は抜群だが魔理沙に用意してもらったワンピースが汚れてしまう、それでも敵に弾を当てるためには仕方がない。
 アリスは妖精めがけてトリガーを絞った。
 重い銃声と衝撃。
 思わず目をつぶってしまいそうになるが、なんとかこらえてどんどん射撃する。
 およそ1キロの銃の重量を持ってしても、その衝撃から銃を安定させる事は難しい事のように思える。
 アリスは7発装弾されたマガジン一本を使い切り、なんとか2体の妖精を打ち倒した。
「相変わらず当たらないが、今日は調子がいい方じゃないか?」
 魔理沙が苦笑いでそうつぶやきながら、道路の真ん中からアリスの元へと戻ってきた。
 どうやら周囲の妖精を全滅させたらしい。
 妖精が死ぬ事は無い。
 いずれどこかで、また新たな銃を手に復活する事だろう。
 魔理沙は6発の銃弾を一回で再装填可能なクイックローダーで、シリンダーに弾を押し込んだ。
 アリスもまねてマガジンを交換する。
 と、不意に視線を感じてアリスは再び気配を探る。
 その位置に気がついて、慌てて銃を振った。
 魔理沙を押しのけて障害物の背後に向けて銃弾を放つ。
 こっそり背後から接近してきたらしい妖精に、命中こそしなかったが標的は慌てて頭を引っ込めた。
「回り込みかよ」
 装填を終えた魔理沙はすぐにアリスを遮蔽物の反対側へ放り投げた。
 なんとか受け身をとって反撃を試みるアリスだが、妖精の銃弾が遮蔽物を叩く音でタイミングを計る事ができない。
 見かねた魔理沙は、危険度の高い妖精を打ち倒すと、アリスを抱えて一目散に駆け出した。
「こっちは危ないんじゃない?」
「お前は相変わらずマイペースだな。あれじゃ退路も進路も断たれるぞ」
 交差点で飛び出してきた妖精を魔理沙が撃つ。
 アリスもなんとか牽制程度に死角めがけてトリガーを引いた。
 さっきまで、ほとんど感じなかった妖精の気配がどんどん増えていくのがわかる。
「おい、いったいどれだけの敵がいるんだよ」
 2人は建物の添いに駆け回りながら、あちらこちらからわき出す妖精を撃破していく。
 魔理沙がポシェットに手を突っ込むと、舌打ちした。
 どうやら用意してきたクイックローダーはすべて使い切ってしまったようだった。
 荒い息をなだめる暇なく、ポケットの中から無造作に弾を装弾しながら魔理沙が言う。
「これじゃ本当にキリがないな」
「射命丸が依頼に来るくらいだもの、かなりの量でしょうね」
「2人じゃどう考えてもさばききれん」
 装填しかけの銃を咄嗟に持ち上げ、窓から顔を上げた妖精を打ち倒す。
 アリスも気配をたよりに、飛び出してきそうな妖精を牽制攻撃した。
 装填の間に合わなくなった魔理沙は、道ばたの妖精が落とした銃を拾っては撃ち尽くし、空になっては放り投げるのを繰り返している。
「周囲の状況を教えてくれ」
 魔理沙の叫びに、アリスは冷静に広範囲の索敵を実行。
 周囲は妖精の気配だらけで、精密に場所を把握する余裕が無い。
「退路はもう無いわ」
 アリスの言葉を皮切りに、四方から銃弾が降り注いだ。
 どうやら、敵のど真ん中までやってきてしまったらしい。
「どこか逃げ込めるところを探してくれ」
 アリスは、魔理沙の注文通りの建物を探す。
 妖精の気配が遠く、目視で確認して頑丈な建物であれば尚よい。
 戦うのに適しているかどうか詳しい事はわからないが、ちょうど良く交差点角の建物が目に入った。
 頭を低くしながら駆ける魔理沙の腕を引いて、アリスはその元商店へと転がり込んだ。
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