幾何学ドッグ・迷犬ウッホ・迷創Cat

同人サークル 幾何学ドッグ・迷創CAT・迷犬ウッホの共同ブログ

Category: スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Category: 東方SS

Comment (0)  Trackback (0)

【紅楼夢】「水曜日の図書館(前編)」【サンプル】

紅楼夢頒布予定「紅の館の事情」より「水曜日の図書館」の前編です。

continueで開く


 アリスは咲夜を美鈴に託した後、再び館へ戻った。
 図書館への道のり、あることを考えていた。
 門番とメイド。
 一見喧嘩している様に見えるが、実は結構仲がいいのだと思う。
 紅魔館の面々は、何かと力で恐れられることが多いが、蓋を開けてみれば実はそうでは無いことに気がつく。
 吸血鬼姉妹にしても、メイド長にしても結局は何ら変わらず普通の友達のような関係なんだな、とアリスは思った。
 今まで戦闘を避ける為に、接触は控えていたが今後そう言った心配はなさそうだ。
 むしろ、少し臆病過ぎたのかも知れない。
 アリスはそんな事を考えながら、図書館の扉を明けた。
「え?」
 途端、そんなパチュリーの声が聞こえた。
 何事かと、今度こそ飛んでパチュリーの元へ向かう。
 パチュリーの机へ付くと、机の上の物を必死に片付けようとしているパチュリーがいた。
「何かあったの?」
 アリスが問いかけると、パチュリーはそっぽを向いた。
 何か気に障る事でもしたのだろうか。
 疑問に思いながら机の上を観察して、何となく答えを知った。
 机の上には七属性を基調にした14枚のカードが散らばっている。
 パチュリーはこれを見られたく無かったのだろう。
「何かしら?」
 思わず手にとって観察する。
 一見スペルカードに似ているが、どうやら全く違った属性の物である事がわかる。
 カード一枚一枚に微弱な属性魔力が込められ、それぞれの属性を高度に感知する仕組みになっている様だ。
 絵柄も込められた属性の物だろう。
 カードの散らばる机の上には小さな魔法円がある。
「新しい研究よ」
 そっぽを向いたままパチュリーはそう呟いた。
 声のトーンが暗いのは隠しておきたかった研究だからか。
 しかし、アリスはこの魔法を見てある結論を出した。
「占い?」
 すべての属性カードからその場所の属性を調べる効果を持つ事は分かる。
 魔法円には、術者の属性を細かく分析する機能があるように見えたからだ。
 そこから導き出してしまったのは、術者の属性による属性占いだ。
 もう見た目もタロットカードである。
「研究よ」
「あたりね?」
 アリスがそう問いかけると、パチュリーは諦めたように肩を落としてカードを並べ直した。
「まさか帰ってくるとは思わなかったのよ」
「それはひどい話しだけど。パチュリーが占いなんて意外ね」
 意外と言われ、パチュリーは少し困ったあと大きなため息をついた。
 しかし、諦めるつもりは無いらしい。
「占い通り今日はついていないわ」
「しっかり占いにのめり込んでいるのね」
「うるさいわ。占いは魔術の原点なのよ」
 確かにパチュリーの言うとおりだ。
 昔の魔女は確かに生まれながらの魔女がほとんどだが、人間から魔法使いになった者のほとんどは占星術やらの占いから魔術に入り込む者が多いと言われていた。
 それは間違い無いのだが、東洋魔術使いのパチュリーがまさか西洋風のカード占いを研究しているとは思いも寄らなかった。
「占いが、趣味ね」
「研究って言ってるでしょ」
「試しに占って貰おうかしら」
 パチュリーはむっとしたようにふくれるが、すぐに諦めて魔法を起動させた。
 アリスの前の魔法円が淡く光り出したかと思うと、カードがばらばらと散らばっていく。
 次第にカードは動きを小さくして魔法円の上に落ち着いた。
 パチュリーは納得したように、カードを眺めて頷いた。
「どうなの?」
「水難の相が出ているわね」
「水?」
 見れば水のカードがアリスに一番近い位置に転がっている。
 正面ではなく横位置で転がっている辺りを見てそう言う占いになったのだろう。
「水には気おつけるわ」
「それがいいわね」
 パチュリーはそう言うともう話題に触れて欲しくないということか、そそくさとカードを束ねて机の引き出しに放り込んだ。
「本当に当たるのかしら」
「一応この占いは、相手の属性と今日の属性、そのほか流動的な魔力まで読み取って行っているわ」
「なるほどね。胡散臭いわけじゃないのね」
「元々、属性を精密に調べる魔法だったのよ」
 パチュリーはそう言って、額の汗をぬぐった。
 咲夜を探して館を彷徨っていた時には分からなかったが、館の温度がずいぶんと高い。
 ここへ来たときよりも確実に暑くなっているのではないだろうか。
「それにしても、暑いわね」
「当然よ。ここは地下だから一番環境が悪いわ」
 パチュリーが諦めたように言うと、属性魔法を発動させようとすと、アリスがそれを止めた。
「何のつもり」
「ちょっと試してみたくて」
 アリスはそう言うと、魔法書を開く。
 水の魔法の気配が図書館を満たした。
「本棚の足の高さは?」
「おおよそ二寸よ」
 アリスはそれを確認すると、一気に魔法を発動させた。
 あちこちの床に浮かび上がった魔法円からにじむように水が漏れだして、徐々に床を満たしていく。
「どういう事よ」
 パチュリーはあきれたように、呟くと足を上げて水から逃れた。
 妙に上機嫌なアリスはブーツを放り出して足を水につけている。
「涼しいでしょ?」
 アリスは楽しそうに言いながら、椅子に座り直した。
 水はおよそ二寸(六センチ)程の深さで図書館の床を満たしている。
「アリスが属性魔法を使うところを初めて見た気がするわ。それにしても無茶苦茶ね」
 パチュリーは諦めたようにそう言うと、底の浅い靴を脱ぎ捨、ついでに椅子に座ったままの窮屈な体勢で靴下を脱ぎすてた。
 床上浸水の件はさておいて、決して深いではない。
「たまにはいいでしょ」
「次は絶対に無いわ。せいぜいタライにして欲しいところね」
「それもそうね」
 アリスは悪びれた様子もなく、読書を再開する。
 水の魔法で満たされたことにより、気温は一気に下がった。
 ぎりぎり水につかっていない本にとっても、温度が低くなることはいいことだ。
 肝心の湿度もしっかりとアリスが管理しているらしく、蒸し暑さはなかった。
 パシャパシャと足で遊びながらアリスは上機嫌に本を読んでいる。
「運が無いのは私か、アリスか」
 パチュリーは呟いて本を閉じると、スペルカードを取り出して掲げた。
「それは?」
 アリスの問いかけに、パチュリーは無表情で答える。
「新しいスペルカードよ」
 アリスは目を細めてカードを見た。
 一見、見覚えのあるスペルである。
 パチュリーの魔法は属性魔法であるが、その中でも精霊魔法が占める割合が大きい。
 自分の魔力や魔法書の力に頼るのではなく、その力を元に各属性の精霊や妖精、土地から力を借りる事で自分の本来持っている魔力よりも大きな力を引き出すことができる。
 しかし欠点もあり、魔法の発動までに時間がかかることや、力を借りる為に必要な長い呪文の詠唱などがある。
 その中でも詠唱が短く、一際火力が高いスペル、ロイヤルフレアのスペルカードがパチュリーによって掲げられている。
 単純に火力への変換効率のいいマスタースパーク並の純粋な攻撃力を持つスペルだ。
 アリスは本を読む手を止めて眉をひそめた。
 ただのロイヤルフレアならば対抗策が無いわけではない。
 単純な撃ち合いをすると考えるならば、確かに分が悪いが今ひとつスペルとしての新しさを感じなかった。
「それをどうするつもり?」
「試すのよ」
「私に?」
「そう」
 パチュリーは無表情でこそいたが、その瞳は爛々と輝いていた。
 妙に自信があるスペルらしい。
 図書館を水浸しにしたことをパチュリーが起こっているのだと思うと、断るわけには行かないだろう。
 諦めたアリスは、魔法書を人形を引き連れて机を離れた。
 少しだけ空間のある、机の側で二人は対峙する。
「そんな必殺技をこんなところで披露してもいいのかしら?」
「いいのよ。検証してみないことには研究にはならないわ」
 もっともらしいことだと、アリスは納得して魔法書を開いた。
 研究中の改良スペルカードの効果を予測する。
 単純に火力のあるスペルだったわけだから、さらに火力を強化したか、もしくは火力を少し分散させて効果時間を延ばす工夫が施されているか。
 アリスはその二つの可能性を考慮して人形を配置した。
 攻撃に負けないだけの防御を維持できる陣形を選択。
 人形に行動パターンを学習させながら、ちらりとパチュリーを見た。
 目を輝かせたパチュリーがいつでもスペルを宣言できる体勢で待機している。
 距離にしておよそ一〇歩半。
 少し間合いが近いが防戦に徹する為、問題なし。
 準備を整えたアリスが、パチュリーに向き合うとパチュリーは一呼吸でスペルを宣言した。
スポンサーサイト

Comments






Information
メロンブックス


■新刊・既刊委託中!!
about

th_banner0.gif かわふじ
th_banner0.gif 黒田
kawahujiをフォローしましょう かわふじtwitter
kawahujiをフォローしましょう 黒田twitter
■他、非常勤メンバー数名で活動中!
幾何学ドッグ ※2013/12/23. 幾何学ドッグ,迷犬ウッホ,迷創Catのブログを統合しました
mail form
works
chain-jake900.jpg ■片霧烈火*子猫奪回屋 東方アレンジ
CDのジャケットを描かせて頂きました!
Ruby Knot
■弓凛合同誌参加させて頂きました!
suten_babar_3.gif
■カードイラストを描かせて頂きました!
****
other

1234567891011121314151617181920212223242526272829303108 2017
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。