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東方銃説話 ~Fairy tale of firefight~  中 (仮

2010.09.19UP

SS『東方銃説話 中』 プロジェクト名Nitoriplus
  ※銃などかわふじ解釈はこちら

かわふじ


少女が何を思ったのか、道の真ん中で立ち止まった。
元々は白だったのだろうビルの壁が続いている。
汚れが浮いて薄汚れたビルの壁で何かが小さく爆ぜた。
普通の人間ならば、いったい何が爆ぜたのか近寄って確認したくなるかもしれ
ないが、少女は姿勢を低くしてアスファルトの地面のを蹴った。
少女の背を追いかけるようにして壁が爆ぜる。
それでも少女がビルの隙間に入り込むまでのことだった。
肩で息をしながら、黒く長い髪をなびかせて隙間を進む。
隙間というくらいなのだから、誰かが駆け抜けて行くようにはできてはいなか
った。
アルミ製の小さな物置やエアコンの室外機、高く積まれた段ボールが日の当た
らない隙間を障害走のように埋めていた。
少女は背中を障害物で隠しながら出口の中間地点で立ち止まる。
耳を澄ませるが、追っ手の足音は聞こえない――もっともそれが足音を立てる
かどうかも疑問だ。
普段ならば簡単に返り討ちにしてみせるところだが、人混みを抜けた際にポシ
ェットを掏られたらしい。
これでは逃げることしかできない。
ポケットから携帯電話を取りだして短縮、発信。
『よお、どうしたんだ』
スピーカーの向こう側からのんきな声が聞こえた。
背後が騒がしいと言うことは出先だろう。
「追われてるわ」
『何でおまえが、っておまえが反撃しないなんて』
「掏られたわ」
『銃を掏られたって?それはお笑いだな』
他人事のように笑われて思わず電話を切ってやろうかと思ったが、どうにかこ
らえ思わず空を仰ぎ見た。
小汚いビルの隙間から見える空でもしっかり青いんだなと思った刹那、あごの
したを恐ろしく熱いものが駆け抜けた。
それはアルミラックに激突して小さな花火を散らす。
『撃たれてんのかよ。いまどこだ』
「旧市街2番地」
『なんてことだ、すぐいくぜ』
元々栄えていた市街地から人間が追い出されスラム化したのがこの旧市街地
だ。
少し外れの新市街地に今も人間は住んでいて治安はそこまで悪くない。
しかし、旧市街地はわけありの吹きだまりだった。
「かこまれてるわね」
そんな気配がした。
蒸された空気に、したたる汗を手の甲でぬぐい落とす。
挟撃は想定内だ。
だからこの場でわざわざ携帯電話なんて面倒なものを使ったのだ。
左右の障害物が銃弾で悲鳴を上げている。
それで済んでいるところをみると、せいぜいハンドガンだろう。
冷静に考えていられるのも今のうちだ。
携帯電話を左手で強く握る。
銃声が途絶えた一瞬を逃さず、物陰から飛び出すと正面のビルのガラスを握っ
た携帯電話で殴りつけた。
風化が進んでいたおかげか、ビルが経済難で粗末なガラスを使っていたからか
運良く一撃でガラスが粉砕、枠に足を引っかけて建物に飛び込んだ。
後はスピードが勝負。
一階給湯室らしい部屋からほぼ暗闇の廊下を一気に駆け抜け、非常口看板のつ
いたドアを勢いを乗せた蹴りで吹き飛ばした。
ホワイトアウト。
自然光がまぶしいが立ち止まっている暇はない。
おそらく窓に飛び込んだ時点で挟み撃ちのため隙間の両側にいた敵は分散して
いるはずだ。
敵がまとまらないうちに逃げ出さなければいけない。
最悪なことに非常口を飛び出した先は大通りに面していた。
無駄に視界が開けていて、しかも遮蔽物が少ない。
ここを横断するためには銃撃で敵を威嚇したり何か別のものに気を引かせるの
がセオリーだが、ここにはそのどちらも満たすことのできる装備は無かった。
意を決して姿勢を低くしたまま壁際を走った。
どこからともなく響く銃声、足下に銃弾がこれでもかというほどに打ち込まれ
る。
足下を狙っているというのは間違いだ。
高いところから胴体を狙っていたのだが、ターゲットが前進したためずれて足
下に着弾しているだけのことだ。
ということは敵は背後、比較的近い建物の上の階にいる。
とっさに無人の建物の玄関に転がり込んだ。
大通りしか狙えない位置だろうから当然、銃声は止んだ。
「まいったわね」
つぶやきながら状態を確認した。
今のところちょっとしたすり傷程度で体は問題なく動く。
体力もすこし休めば大丈夫だろう。
問題は敵の数が多いこと。
隙間での挟撃と建物からの射撃があったが、どれもハンドガンによるものだっ
た。
となれば敵の数は必然的に多くなる。
「10ってとこかな」
ブーツに隠していた銃と針を抜き出した。
銃はデリンジャーで装弾数は2発、針は4本――針と言っても五寸釘に近いかな
り大きな針だ。
頼りないが、いざとなったら使うしかない。
建物から飛び出して再び大通りを駆けた。
魔理沙にした電話には2番地といったものの、今いる場所はその少し手前だ。
移動することを想定して伝えてみたが、少し仇になってしまったようだ。
背後からの銃撃はない。
すぐにあきらめて追撃に回ったのだとしたら足を止める訳にはいかない。
魔理沙に指定した2番地まであと少しのところだった。
ビルの隙間から敵がなだれ込んでくる。
手には銃、その数4。
どれも小柄な少女だがその手には凶悪な銃が握られている以上、敵以外である
はずがない。
まるで合図したように4人の少女が銃を構える。
避けるという選択肢はなかった。
ほぼ反射的に銃を持ち上げ、発砲。
グリップの小さなデリンジャー独特の反動を何とか相殺しながら慎重に二発を
放った。
銃弾は中央の2体に命中し散霧、両脇の2体はそれを気にすることもなくこちら
に走りながら銃撃を開始する。
不安定な姿勢にもかかわらず銃弾が頭のすぐそばを超高速で通過していく。
その距離20メートル。
普通は体をどうにかして弾がかわせる距離ではない、がまだ一発も被弾を許し
てはない。
当たらないならばひるむことはない、両手に2本ずつ構えた針を振りかぶって
一気に投擲する。
壁側の一体に見事命中。
手にしていた銃のイジェクションポートに入り込み銃を無力化、残り一本は眉
間に深々と突き刺さっていた。
しかし、道路側にはそうはいかなかった。
恐ろしい偶然が重なった、放たれた銃弾と突入する針の角度が絶妙だった。
一本目の針が発射されたばかりの高速な銃弾に命中。
弾道をわずかに変えただけで針は大きくはじかれ、あろうことかその針が2本
目の針をはじき飛ばしていた。
本当に一瞬の出来事だが、針が明後日の方にすっ飛んでいくのをしっかりと目
視していた、打つ手なし。
被弾を覚悟して建物に飛び込もうとした瞬間。
背後から敵のものとは明らかに違う銃声が轟いた。
大口径独特のそれに、向かってきていた小柄の少女が吹き飛ばされた。
きりもみしながら宙を舞い、地面に激突する寸前で散霧。
「待たせたな」
聞き慣れた強気な台詞は彼女のものでしかない。
「最悪のタイミングね」
振り返れば、荒野のガンマンよろしく仁王立ちの魔理沙が銃口を吹いていた。
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