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暑中見舞い 1

2010.09.09 UP
SS「暑中見舞い 1」(魔理沙 霊夢)

かみ




 今年の夏は異常な暑さだ。
 幻想郷も例に漏れることなく異常な暑さがおそっていた。
 暑さのせいですっかり研究する気をなくした私がふらふらと博麗神社の境内に現れたのは、そんな暑く
 なりつつあるお昼頃だった。
 遠くでじーじーと蝉が騒いでいる。
 もうその音だけでめいってしまいそうだ。
「こんな暑いのに珍しいわね」
「暑すぎてな、森に入るのもうんざりだし昼寝もできないんだぜ」
「たしかにね」
 博麗霊夢が真っ白で立体感のある入道雲を見つめていた。
 あれは夏の風物詩なんだろう。
 なぜ夏にのみあんな雲がでるのかなんてわからないが、いわし雲や地震雲などもなぜできるかなんて誰も答えを知らないだろう。
 知っているのは、パチュリーか紫くらいだと思う。
 あの夏の風物詩は記憶の中ではゆったり漂っていたんだが、最近では突然出現したかと思うとなんの前触れもなく滝のような雨を降らせることが多かった。
 紫はそれをゲリラ雨とよんでいたが意味はよくわからない。
 霊夢に習ってホウキを投げ出して縁側に座った。
 太陽がちょうど背中――神社の正面側にいる時間なので日陰になっている。
 さらに博麗神社は幻想郷をある程度見渡せる丘の上にあるため、生ぬるくはあるが自分の家の辺りにはない穏やかな風が吹いていた。
「ここはいいとこだな」
「あんな湿った森の中と比べられてもうれしくなんかないわ」
「普段なら否定するとこだが、全くその通りだと思うぜ」
 霊夢がため息をつく。
 魔法の森は確かに年中しけっぽくて独特の雰囲気があった。
 それは季節に関係なく森に入り込む人間や妖怪を遠ざける効果があった。
 それでも私があの森に住んでいるのは、森のキノコが放つショウキは魔力を高める効果があったからだった。
 それを知って魔理沙はあの森に家を構えたし、アリスも森の中の何とも不便な土地に住み着いている。
 隣の霊夢が大きなタライに張った水に足を浸しながら空を仰いでいた。
 うちわでぱたぱたと生ぬるい風を送っている。
「それ私の分はないか?」
「どこの家に洗濯用のタライが2つもあるのよ」
「ならうちわでいい」
「あんたは、まったく仕方ないわね」
 霊夢がほんとうにめんどくさそうにうちわを差し出してきた。
 私には霊夢のうちわを取り上げるつもりなんてさらさらなくて、別のうちわがないかと尋ねたかったのだけれど、受け取らずにもいられないのでありがたく使うことにした。
 確かに涼しいかもしれないが、どんなに仰ごうともぬるい風は冷たくなりはしなかった。
「どうしてこんなにあついんだ?」
 だらしなく足を伸ばして縁側で寝転んだ。
 背中に触れる床が思った以上に冷たくて気持ちいい。
 家にかえったら床で寝ることにしよう、そうすれば少しくらい寝付くことができるかもしれないな。
「どうしてっていわれても、暑いものは暑いのよ」
「それはそうだがな。何か涼しくする方法はあったりしないのか?」
「これとそれ」
 霊夢は自分の足下を指さしてついでに私のうちわを指さした。
「それじゃ根本的解決にはなってないだろう」
「当たり前でしょ。根本的に解決しようとしたら雪でも降らせるしかないわ」「雪、か」
 確かに雪でも降ろうものならこの暑さは何とかなるかもしれないけれど、全くその方法が思いつかない。
 冬の妖精に頼めばなんとかなるかもしれないが、冬以外では冬眠してしまっている冬の妖精に夏会うほうほうはないだろうと思う。
「昔はね」
 お茶をすすっていた霊夢が何かを思い出したように突然言葉にした。
「もっと暑かったのよ」
「は?これは温暖化とかう外の異変のせいじゃないのか?」
「今はそうだけどね。昔はもっと暖かかったそうよ」
 霊夢は目を細めていった。
「それっていつの時代だよ?」
「里の妹紅が生まれたころよりも前よ」
 妹紅といえば竹林の永遠邸と長く喧嘩していて不老不死ということで有名だった。
 そんな妹紅が生まれる前とはいったいいつのことだろう。
 私はそこまで歴史に詳しくはない。
 調べようと思ったらパチュリーの図書館か人里を訪ねる必要があるだろう。
 パチュリーの図書館に関してはパチュリーがこの世界にやってきた時期から考えてその資料がある確信はない。
 ならば人里に降りて寺子屋か阿求の元を訪ねるしかないだろう。
「昔も温暖化とかいうのが起きていたのか?」
「違うらしいわ。黒点の位置だとか運動周期だとか」
「なんだそれ」
「太陽の話。あれはこの場所からみれば丸くていつも同じく輝いているんだけど、実際には不安定なんだってさ」
「それはつまりロウソク炎みたいなかんじか?」
「そういうこと。実際にはゆらゆらして熱かったり少しだけ熱くなかったりするらしいのよ」
「明るすぎて目ではわからないって感じだな」
 霊夢が強くうなずいて、廊下に寝転がった。
 蝉の音がうるさい。
 普段いしきしていないが、よく蝉の音をきいているとなんだか耳の調子が悪くなってしまいそうな音じゃないか。
「っておまえはよくそんなこと知ってるな」
「全部紫」
「紫が?」
 霊夢にしてはやけに物知りだとおもったら、紫が吹き込んだのか。
 紫ならば知っていても不思議ではない。
 あれほどの古株はほかに数えるくらいしかこの世界にはいないだろう。
 それでも、いつも現実から離れている紫の言葉を100%信じることはできないんだよな。
 それはなんだかとても危険だと思うからだ。
「そう。今の温暖化っていうのもそれが本当の原因らしいわ」
「ますますうさんくさいやつだな」
「それはいま始まったことじゃないでしょ」
 霊夢が大の字で天井を見上げながらため息と一緒に言った。
 なんだか平気な顔をしているくせにこいつも結局暑いんだ。
 体温で暖かくなった床から少しごろごろと移動して冷たい位置に寝転がった。
 さっきよりも霊夢に寄った位置だ。
「魔法使いなんだから何か魔法でも使ってみれば?」
 霊夢がさらりと恐ろしいことを言った。
「おまえ知ってていってるだろう」
「さてね」
 確かに魔法使いではあるが、私は人間だ。
 高度な魔法円を組んで魔法を発動させたり、精霊と契約したりするこはいまだに成功していない。
 ちょっと例外をいうならば氷の妖精をうまくたぶらかした程度だ。
 弾幕にちょっとした氷属性を盛り込む程度だが、それでも十分それらしくみえるからそれで満足していた。
 これをどうやってか応用すればもしかしたら暑さをしのげるかもしれないが、それは全く見当もつかないことだった。
「パチュリーにでも相談すれば間違って雪でも降らせられるんじゃない?」
「間違っても雪は降らないだろ。氷くらいなら落とせるかもしれないがな」
 そういって少しだけ興味がわいた。
 魔法で雪を降らすことではなく、パチュリーについてだ。
 あいつはいったいどんな過ごし方をしているんだろうか。
 魔法で快適に過ごしているか、それとも何かおもしろいことでもしているかもしれない。
 思わず起き上がった私に霊夢がめんどくさそうに声を上げた。
「暑いから動けないって嘘でしょ」
「んなことあるか」
「好奇心の前では暑さなんて意味ないみたいよ」
「魔女にとってそれは生命力だからな」
「食費がかからなくていいわね」
「キノコは食料じゃないから問題ないんだぜ」
「まあほどほどにね」
「なんだよ」
 天井を見上げていた霊夢の頭が動いて目があった。
「それで異変でも起こしたら張り切って退治してあげるわ」
「結局おまえもそうなんだな」
「何のことかしらね」
 私の好奇心とこいつの異変解決は同じようなものなんだ。
 まあ好奇心は重要だ。
 他の住人がどういった暑さ対策をしているのか無性に気になってしまったのだからどうしようもない。
 まずは、話に出てきたパチュリーのところにでも押し入ってみるか。
 涼しくなる魔法でも魔法書でも手に入ればもっとおもしろい。
「嫌な発想」
 霊夢の冷たい言葉がやけに心地好く聞こえたのは、暑さのせいかもしれないな。

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