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「霧雨 魔理沙」1

2010.02.17
「霧雨 魔理沙」1 (霧雨魔理沙 アリス・マーガトロイド)

幾何学ドッグ かみ


「あ。」

 魔理沙は、手から滑り落ちる硝子管に気がついて、慌てて受けとめた。

「やっぱり話、聞いてないわよね?」

 事なきを得た魔理沙が、気まずそうに視線をあげる。
 視線の先には分厚い魔法書を膝の上で開きながら、上目遣いで魔理沙を見るアリスの姿があった。人形のような顔立ちだけでなくその表情も人形のようでわかりにくい。加えて、声の抑揚も少なく何を考えているのかさっぱりだった。

「いや、聞いてたぜ。手が滑って焦ったんだよ」

 アリスの視線が痛い。アリスは、先日約束していた魔法の講義の為にわざわざ魔理沙の家を訪れていた。いわば客だ。怒るのも仕方がない。
 本当のところ、魔理沙の耳にアリスの声は届いていなかった。そもそもの原因はアリスにもあるのだが、魔理沙はそれを言おうとは思わなかった。言ったところで火に油を注ぐだけ。

「そう。私はこの辺でおいとまするわ」

「あぁ。送るぜ」

 アリスが魔法書をブックバンドで閉じる姿がどことなく素っ気なく見えてしまうのは、きっと調子が優れないからだ。振り向きもしないで飛び去ったアリスの背中が見えなくなると、どうしようもないため息が出た。
魔理沙は再びテーブルについて作業を再開する。八卦炉の火力を調節してとろ火にすると、その上でキノコの破片の入った硝子管を熱しはじめた。キノコが乾燥したらすりつぶしてみよう。

 誰かはそれを錬金術だと言った。考えてみればそうだ。魔理沙のしていることといえば、森で魔法の材料を集めてきては実験器具をつかったり鍋で煮詰めたりして魔力を取り出す作業であり研究だった。どこかの魔法使いのように腰を据えて、知識の中から新しい魔法を探すようなものではない。嫌味なことにそのパチュリーは錬金術が苦手だと、話の最後に付け加えたのを覚えている。その態度には否定の意味が込められているのだと思う。人間は魔法使いではない。

「っ!」

 手元で何かの割れる音がした。何かといえば硝子管だが、割れたと言うよりは熱で亀裂が入った感じだ。

「これだから困るぜ」

 八卦炉を止めて室内を漁ってみるものの、肝心のガラス管は見つからなかった。こんな時に限って予備が切れている
もの。
 落ち込みそうになるのをこらえて魔理沙はホウキにまたがり、人里を目指してホウキを駆った。


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